岡町の府道沿いに、今では大変めずらしい鍛冶屋さんを発見しました。
創業以来100年続いている、綾部で唯一の鍛冶屋『鍛治重』さんです。
▼目立った看板もなく思わず見過ごしてしまいそう
ご主人の神田八束(ヤツカ)さんは、昭和20年から61年間も鉄を鍛え続けた、現在81歳の現役職人です。
昔は市内にも50軒近くあった店が、時代とともに次々と廃業していき、今では鍛治重さん1軒のみとなったそうです。
そのため、福知山や舞鶴、三和などからも注文が入り、なんとバイクで配達もされているとのこと。
訪ねたときはちょうど筍を掘る鍬を修理中で、その作業を見学させてもらいました。
炉で真っ赤に焼けた鉄は2千度に達し、額から汗が噴き出してきます。
鍬の先に刃金をつけ、金槌で鍛えて出来上がり。
これほど間近で職人技を見るのは、もちろん初めての体験。おおげさでなく、驚きと感動の連続でした。
使い込まれた道具の数々です。
神田さんの手を見せてもらいました。
長年の作業で指の皮が厚くなり、すこしくらい高温のものを持っても平気だそうです。
まだまだお元気ですねぇ、と言うと「昔ほど腕が上がらなくなったよ。
声だってもっと大きかったし、あと2~3年で廃業せざるを得ないかな」とおっしゃられた。
「炉に使うコークスを3年分ほど在庫しているので、それを使い切ったら槌を下ろすつもりだ」と、とても残念です。
今では貴重な存在になってきたため、大学から調査にこられたり、工業高校に講演に行くこともあるそうです。
時には弟子入りの申し込みもあったりするそうですが、「仕事の過酷さと収入の折り合いがつきにくく、断っている」とのこと。
技術継承のむずかしさを痛感しました。春から秋にかけて使われた農具を、冬の間に修理に出す。
そして生まれ変わったものを、また1年間使い込んでいく。
今が一番注文の多い時期だそうです。
神田さんから一言。
「あんまり宣伝してくれんほうがいいなぁ。注文が増えたらひいきにしてくれている人に迷惑がかかるから」・・・本物の職人さんらしい言葉でした。
午前中はだいたいお店で作業され、午後から配達に行かれます。
場所:綾部市岡町西角3-5 TEL 0773-42-1434
※修理は3千円まで、鍬など注文品は1万円くらいで出来るそうです。
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